元のニュース記事はこちら「テンサイ、サトウキビ…需要減の砂糖原料、航空燃料活用探る 農水省」(日本農業新聞 2023年1月17日)
近年、需要が減少しつつある砂糖の原材料であるサトウキビやテンサイのその他の活用方法として航空燃料を農水省が検討しているというニュース。SAFはSustainable aviation fuelの略で、主にバイオマスや廃油などから作られる「持続可能な航空燃料」の意味。2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロ化達成に向けて、航空燃料をSAFに置き換える動きが進んでいるが、現在のSAFはフィンランドなどからの輸入に頼っているため、国内での製造の可能性を農水省が検討しているようだ。
ホクレンや東京大学などで、2022年7月頃からテンサイの糖蜜(モラセス)から藻類を用いてSAFの原料となるバイオエタノールを作る研究に着手しているが、一番の壁はやはりコストで、従来のジェット航空燃料がリッター約100円に対し、SAFは倍以上のコストがかかる(バイオエタノールまででリッター当たり約200円かかる)試算とのこと。
まだ検討の段階だし、サトウキビにしろテンサイにしろ国内の生産量(面積)が小さいのでブラジルなどのように安定的かつ低コストでの供給にはならなそうで実用レベルまではかなり遠い道のりだけど、取り組み自体は砂糖関連だし面白い。砂糖の原材料であるモラセス(糖蜜)やバガス(搾りかす)はバイオエタノール以外にもセルロースナノファイバやバイオプラ、ラム酒や味の素など発酵を活用する製品に幅広く活用可能なので、色々な可能性が検討されるのは良いことだ。
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