【事故】沖縄の製糖工場で糖蜜約300トンが海に流出、アオサの養殖場にも影響

 2023年2月2日に沖縄本島の北方に位置する離島・伊是名村(いぜなそん)のJAおきなわのサトウキビ製糖工場(伊是名製糖工場)から大量の糖蜜が海に流失していることが分かった。海上は糖蜜色の黒色に染まり、周囲には甘い匂いが漂っているという。名護海上保安署によれば被害範囲は沖合1.5キロ、最大200メートルの広さに及んでおり、同島の沿岸にあるアオサの養殖場にも影響が出ている。2月3日午後にJAおきなわの前田典男理事長が記者会見を開いた。
 JAおきなわの発表によると、2月1日と2日に工場の糖蜜タンク内に水が混入したため処分することになった糖蜜約350トンのうち、300トンを工場敷地内の残渣保管場所(沈砂地)に散布し、残り50トンは近隣の畑に散布されたという。このうち工場で廃棄した300トンの一部が側溝などを通じて海に流失したものと考えられる。沈砂地の仕組みとして一定量が溜まるとオーバーフローする仕組みとなっており、許容量を超えた廃棄が原因の可能性もあるという。

 製糖関係では珍しく事故のニュース。この事件で初めて知ったが、糖蜜(モラセス)は糖蜜肥料と呼ばれる有機質肥料(分類は特殊肥料の「アミノ酸かす」)として使われているようだ。製糖関係の事故だと、この糖蜜流出は過去にも何件か発生していて、1919年にボストンで発生した糖蜜災害(870万トンの貯槽が破裂し、ボストン街路などに時速56キロメートルで浸食していった災害)や、2013年にホノルルで発生した糖蜜流出(1400トンの糖蜜がパイプ不良によりホノルル港に流出)などがある。

参考リンク
・【琉球新報】製糖工場から糖蜜が大量流出、海が真っ黒に…最大200メートル、アーサ養殖場に被害 JAが謝罪 沖縄・伊是名(2023年2月4日の記事。2月3日に速報記事あり)

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