砂糖の基礎知識 ③砂糖の種類

 砂糖の種類は原料による分類、製造法による分類など色々あるが、まずは代表的な種類をいくつか。

グラニュー糖

 世界で最も使用量の多い砂糖。一般的には砂糖=グラニュー糖を指す。最高純度の糖液(1次)から作られる無色透明の結晶で、ショ糖純度が高く、転化糖をほぼ含まないため、上白糖などに比べてサラサラしている。カロリーは糖類中で最も高く、100グラムあたり387キロカロリー。

上白糖

 日本で最も使用量の多い砂糖であり、他の地域ではあまり使われていない。ショ糖の表面に転化糖(ビスコ)をコーティングして作るため、しっとりとして食感とグラニュー糖よりも甘みが強く、コクがある。転化糖と水分をそれぞれ1%程度含むため、メイラード反応が起きやすく、焦げ色が付きやすいため、焼き菓子などにはグラニュー糖が推奨される。

三温糖

 上白糖を分離して残った糖液を数回加熱し、カラメル色が特徴の砂糖。「三温」の由来は数回加熱する製法に由来。わずかにミネラルを含むが、成分としては上白糖とほぼ変わらない。

黒砂糖

 甘蔗(サトウキビ)の搾り汁を煮詰めて作る黒褐色の砂糖。甘蔗の地上部に含まれる成分(アルカロイド等)、カリウム、鉄、カルシウムなどのミネラルを多く含むため、ショ糖成分は80%程度と糖類の中で最も低い。2012年4月から「黒砂糖」「黒糖」と表示できるのは、甘蔗(サトウキビ)の搾り汁を使ったものだけに限られている。長らくビート(甜菜)からは作れないと考えられていたが、現在1社が開発し、販売されている(北海道ビート黒糖「天才ビートくん」)。なお、黒糖を溶かし煮詰めたものや、精糖時に出る糖液を黒蜜と呼ぶ。

赤糖

 主に台湾やフィリピンで生産されている赤褐色の砂糖。別名「紅糖」「石蜜(固い蜜・甘い石)」とも呼ばれる。中国やインドでは「グル」、テルグ語では「べラム」、アメリカでは「ジャガリー」と呼ばれている。日本に初めて伝来されたとされる砂糖が石蜜であると言われている(754年、鑑真和尚によるとされる)。

和三盆

 日本国内の四国東部(香川・徳島県)で伝統的に生産されている高級砂糖。淡い黄色と独特の風味が特徴。「三盆」の由来は、盆の上で砂糖を三度「研ぐ」という独自の精糖工程から。原料は細黍(ほそきび)と呼ばれる在来品種の甘蔗(サトウキビ)を用いて、白下糖と呼ばれる原料糖を作り、盆の上で粒子を細かくする「研ぎ」と黒い糖蜜を抜く「押し」の工程を何度か繰り返し、乾燥させて作る。複雑な工程と、寒冷時にしか作れず、原料糖である白下糖から4割程度しか和三盆が作れないため、最も高価な砂糖と呼ばれる。そのため、現在は白下糖に似た原料糖(粗糖)などから類似の砂糖を工業的に製造した和菓子用の加工糖も作られている。

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