2022年11月10日時点で塩水港精糖【2112】の株式保有比率が11.6%となったため、大東製糖株式会社(非上場)は11月15日に大量保有報告書を提出した。大東製糖の保有株数は4,060,660株で、前回の保有率からは0%→11.6%(+11.6%)の増となり、保有株数1位の三菱商事の14.66%に次いで第2位の保有株主となる。保有目的は「政策投資 いっそう緊密な関係を築き、お互いの企業価値を向上させる」としている。
大東製糖株式会社はクローバー印のブランドの砂糖を、2002年から共同出資している新東日本製糖株式会社と関西製糖株式会社で製造委託している独立系の製糖会社。新東日本製糖株式会社は元三菱系である大日本明治製糖(現在は三井系の三井製糖と経営統合し、DM三井製糖となっている)と住友系の日新製糖との共同出資で設立されており、関西製糖は三菱系の塩水港精糖と元三菱系の大日本明治製糖(現在は三井系)とで共同出資し、後に独立系の中日本氷糖も加わり4社で設立されている。
2022年4月にも三菱UFJファイナンシャルグループが合計5.06%の大量保有報告を提出していた(過去記事参照)が、意図としては共同出資している新東日本製糖株式会社と関西製糖株式会社の出資比率のバランスを取る意図があるのではないかと推察。大東製糖の主な取引先に三菱商事があるので、新東日本での三井(大日本明治製糖と経営統合したDM三井製糖)・住友(日新製糖は伊藤忠系の伊藤忠製糖と経営統合予定)・三菱系のバランスを取りつつ、関西製糖では三菱系の塩水港精糖と連携することで大日本明治製糖(DM三井製糖)と中日本氷糖に対して存在感を出していく意図なのではと素人考え。こんな風に製糖会社の勢力図もよく見ていると動きがあって面白い。
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