フランスの製糖会社

 フランスはEU内でも最大の甜菜糖(ビート糖)の生産国(年間400万~500万トン)で、EU全体の砂糖生産量の約3分の1を占めると同時に、甜菜糖(ビート糖)では世界第2位の生産量を誇る(1位はロシア、3位はドイツ)。作られている甜菜は砂糖の他にエタノール生産などにも使われている。

テレオス(Tereos)

 テレオスは生産者による協同組合が経営するフランス国内最大の製糖大手で、世界有数の規模の製糖会社。協同組合形態の企業のため非上場だが、ブラジルの子会社(Tereos International)は上場している(サンパウロ証券:TERI3)。1932年に源流となる協同組合の設立から買収・合併を繰り返し、現在は約12000の協同組合が属する世界でも有数の企業へと成長している。
 2020年度の砂糖部門(再生可能エネルギー部門も含む)の売上高の合計は約26億ユーロ(内訳はフランス国内が17億500万ユーロ、国際部門で9億4400万ユーロ)で、全体の売上高約43億ユーロ(約48億ドル)に対し、約60%(約29億ドル)を占めている。

クリスタル・ユニオン(Cristal Union)

 クリスタル・ユニオンは2000年に4つの製糖会社(entreprise、coopérative、sucrière、française)が合併設立された協同組合形態の製糖会社。設立後も協同組合の合併やイタリアの製糖会社(Eridania)等を買収し、規模を拡大している。
 2020年の売上高は約11億ユーロ(約12億ドル)で、フランス国内で第2位の規模。

サン・ルイ・シュクル(Saint Louis Sucre)

 1832年に創設し、その後は合併などによりGénéraleSucrièreが設立され、1998年に現在の社名であるサン・ルイ・シュクルに改名。2001年にドイツのズットツッカー社(Südzucker)に買収され子会社化となる。
 2020年の売上高は約3億ユーロ(約3億ドル)。

Ouvré Fils(Sucrerie & Dis tillerie de Souppes)

 スープシュルに製糖工場と蒸留所を持つ製糖会社。売上高は約5400万ユーロ(約6000万ドル)。

Lesaffre Frères(ルサッフル・フレール)

 イーストなどの酵母・発酵製品の世界的大手であるLesaffre(ルサッフル)社グループ。ナイジスに製糖工場を持つが、精製糖を作るというよりも、酵母の生産に必要な糖蜜(beet juice)を甜菜から作っているというニュアンスだった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました