日本の製糖会社と総合商社の関係

 製糖会社と総合商社との関係は深い。砂糖は昔から生活と食品製造に必要不可欠な物資であるので、製造から流通まである程度の規模で押さえておくべき花形商品であるし、財閥時代から投資先のひとつとして製糖業(精糖業)が必ず押さえられているくらい重要な産業だからだ。
 新しい日本銀行券(F一万円券)の顔となる渋沢栄一も、製糖業で起業しているのは有名な話で、1895年に大日本製糖の前身となる日本精糖を設立しているし、その後には1906年の明治製糖の設立にも協力している。ちなみに、大日本製糖と明治製糖は1996年に合併し大日本明治製糖となり、2021年には三井製糖と経営統合をしている。
 ここで言う総合商社とは、三井物産、三菱商事、住友商事、伊藤忠商事、丸紅、豊田通商、双日の七大商社を指す。

東洋精糖 [2107・東1]

 丸紅が株式の39.26%を保有(2021年3月31日現在)

日本甜菜製糖 [2108・東1]

 商社ではないが、明治ホールディングスが株式の10.6%保有(2021年3月31日現在)。
 三菱商事が株式の1.89%保有していたが、資本業務提携先のDM三井製糖ホールディングスに譲渡された(2021年4月6日時点)。

DM三井製糖ホールディングス [2109・東1]

 2021年4月1日に三井製糖と大日本明治製糖が経営統合し、持ち株会社として「DM三井製糖ホールディングス」を発足。同時期に日本甜菜製糖との資本業務提携を行っている。なお、経営統合前の大日本明治製糖は三菱商事が株式の100%を保有する完全子会社だった。

 三井物産が株式の33.5%を保有(2021年3月31日現在)。

 三菱商事が株式の19.88%を保有(2021年4月1日現在)。

 豊田通商が株式の3.89を保有(2021年3月31日現在)。

 双日が株式の1.89%を保有(2021年3月31日現在)。

塩水港精糖 [2112・東1]

 三菱商事が株式の14.7%を保有(2021年3月31日現在)。

フジ日本精糖 [2114・東2]

 双日が株式の30.4%を保有(2021年3月31日現在)。

 豊田通商が株式の4.6%を保有(2021年3月31日現在)。

日新製糖 [2117・東1]

 住友商事が株式の37.6%を保有(2021年3月31日現在)。

伊藤忠製糖 【未上場】

 伊藤忠商事が株式の100%を保有する完全子会社。

 こう見ると、三井製糖(三井物産)と大日本明治製糖(三菱商事)の経営統合がかなりインパクトのある出来事だということが分かる。

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