インドはブラジルに次ぎ世界第2位の砂糖生産国(2021年時点で約3470万トン)であると同時に、世界第1位の砂糖消費国でもある(2021年時点で約2850万トン)。ブラジルと同じく、世界で生産されている砂糖の約20%を担っているとされる。
- バジャジ・ヒンドゥスタン・シュガー(BHSL、Bajaj Hindusthan Sugar Ltd)
- トリヴェニ(Triveni Engineering & Industries)
- シュリー・レヌカ・シュガーズ(Shree Renuka Sugars)
- ダルミア・バーラト・シュガー・アンド・インダストリーズ(Dalmia Bharat Sugar and Industries)
- バルランプール・チニ・ミルズ(BCML、Balrampur Chini Mills)
- ダンプール・シュガー(Dhampur Sugar Mills)
- マワナ・シュガーズ(Mawana Sugars)
- DCM・シュリラム(DCM Shriram)
- EIDパリー(EID Parry、East India Distilleries Parry)
- シンブハオリ・シュガーズ(Simbhaoli Sugars)
- ドワリケシュ・シュガー(Dwarikesh Sugar Industries)
バジャジ・ヒンドゥスタン・シュガー(BHSL、Bajaj Hindusthan Sugar Ltd)
1931年にHindusthan Sugar Mills Limitedとして設立(1988年に現在の社名に変更)。アジアで第1位、世界でも第4位の製糖会社(自社HPに記載)で、インド国内でも最大規模の砂糖・エタノール製造会社でインド証券所に上場(BJH:NSE)。国内に14の製糖工場を持ち、2020年の砂糖生産量は約172万トン。2021年の売上高は約667億ルピー(8.6億ドル)。
トリヴェニ(Triveni Engineering & Industries)
1932年にGanga Sugar Corporationとして設立。砂糖・エタノール製造などの他に電力・水道事業なども手掛ける。インド証券所に上場(TRIVENI:NSE)。国内に7つの製糖工場を持ち、「Shagun」ブランドの砂糖を製造し、2021年の砂糖生産量は約94万トン。2021年の会社全体の売上高は約470億ルピー(6億ドル)。
シュリー・レヌカ・シュガーズ(Shree Renuka Sugars)
1998年にNizam Sugarsの設備を取得し設立した製糖会社で、インド国内で約22%の砂糖のシェアを持つ。インド国内に7つの製糖工場を持ち、インド証券所とボンベイ証券所に上場(RENUKAEQ:NSE、532670:BSE)している。親会社はシンガポールのウィルマーシュガー(Wilmar Sugar Holdings)で62.48%の株式を保有(2021年時点)。2010年にブラジルの製糖会社を買収している(Renuka do Brasil)。
2021年の全体の売上高は約554億ルピー(7.1億ドル)で、そのうち製糖部門の売上高は約531億ルピー(6.8億ドル)で全体の約8割を占める(残りの各1割がエタノールと発電事業)。粗糖の生産量は約132万トンで、砂糖(精製糖)の生産量は約37万トン。
ダルミア・バーラト・シュガー・アンド・インダストリーズ(Dalmia Bharat Sugar and Industries)
インド証券所とボンベイ証券所に上場(DALMIASUG:NSE、500097:BSE)。5つの製糖工場を持ち、年間の砂糖生産量は60万トン。2021年の売上高は約274億ルピー(3.5億ドル)。
バルランプール・チニ・ミルズ(BCML、Balrampur Chini Mills)
1975年に設立され、インド国内では砂糖の他にエタノール・発電事業の多角化を行った製糖会社。インド証券所に上場(BRCM:NSE)。2021年の売上高は約481億ルピー(6.2億ドル)。
ダンプール・シュガー(Dhampur Sugar Mills)
1933年に設立したサトウキビ加工の大手でインド証券所に上場(DHAMPURSUG:NSE)。2021年の全体の売上高は約420億ルピー(5.4億ドル)で、そのうち砂糖部門の売上高は約320億ルピー(4.1億ドル)で年間生産量は約85万トン。
マワナ・シュガーズ(Mawana Sugars)
1889年に設立し、インド証券所とボンベイ証券所(MAWANASUGEQ:NSE、523371:BSE)に上場。2021年の売上高は約147億ルピー(1.9億ドル)。イギリスのTate&Lyle社と共同でNanglamalにある工場(Nanglamal Sugar Complex)でEU向けの砂糖も精製している。
DCM・シュリラム(DCM Shriram)
DCM Shriramはエネルギー・農業系のコングロマリットで、砂糖事業は主軸事業のひとつ。インド証券所とボンベイ証券所(DCMSHRIRAM:NSE、523367:BSE)に上場。2021年の会社全体の売上高は約831億ルピー(10.7億ドル)で、砂糖事業の割合は全体の約4割を占め、売上高は約339億ルピー(4.4億ドル)。
EIDパリー(EID Parry、East India Distilleries Parry)
インドのコングロマリットであるムルガッパグループ(Murugappa Group)の傘下企業(1981年に買収)。1842年にインドで初めての製糖工場を設立し、世界でも最初期に設立された製糖工場でもある。インド証券所とボンベイ証券所(EIDPARRY:NSE、500125:BSE)に上場。子会社にParrys Sugar Industries、Parry Sugar Refineryなどがある。インド国内に6つの製糖工場を持ち、年間生産量は約39万トン。2021年の会社単体の売上高は約202億ルピー(2.6億ドル)で、砂糖事業の割合は全体の約7割を占め、売上高は約150億ルピー(1.9億ドル)。
シンブハオリ・シュガーズ(Simbhaoli Sugars)
1933年にシンブハオリという村に製糖工場を設立。1996年にはイギリスのTate&Lyle社と、2012年にはイギリスのED&F Man Sugarと共同で製糖工場を設立もしている。インド証券所とボンベイ証券所(SIMBHALS:NSE、539742:BSE)に上場。ブランド「TRUST(トラスト)」の砂糖を生産。2021年の会社全体の売上高は約146億ルピー(1.8億ドル)に対し、砂糖事業の売上高は約116億ルピー(1.5億ドル)で全体の約8割を占める。
ドワリケシュ・シュガー(Dwarikesh Sugar Industries)
1993年にドワルカシュガー(Dwarka Sugar Limited)の子会社として設立し、翌年に現在の社名に変更。インド証券所とボンベイ証券所(DWARKESH:NSE、532610:BSE)に上場。2021年の砂糖の生産量は約39.6万トンで、2021年の会社全体の売上高は約197億ルピー(2.5億ドル)に対し、砂糖事業の売上高は約156億ルピー(2億ドル)で全体の約75%を占める。
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