アメリカの製糖会社

 アメリカは世界でも砂糖の生産(2020年時点で第5位)と消費(2020年時点で第4位)がトップクラスの国でもある。2020年の砂糖の国内生産量は約843万トンであり、その内訳はビート糖が約464万トン、サトウキビ糖が約379万トン。2020年の砂糖の国内消費量は約1110万トンで、生産量との差の約250万トンの砂糖(粗糖・精製糖)を国外から輸入していて、主な輸入先はメキシコやブラジルなどである。

American Crystal Sugar Company(アメリカン・クリスタル・シュガー・カンパニー)

 1899年に合併設立された農業協同組合形態の製糖会社(当時はAmerican Beet Sugar Company)。アメリカ最大のビート糖生産会社で、年間で約30億ポンド(136万トン)の砂糖を生産し、これはアメリカ国内で生産する砂糖の約20%、ビート糖に限定すれば全体の約35%に相当する。2021年の売上高は約15億ドル。

American Sugar Refining(ASR、アメリカン・シュガー・リファイニング)

 1998年にフロリダ・クリスタルズ(Florida Crystals)とフロリダのサトウキビ生産者組合(Sugar Cane Growers Cooperative of Florida)によって設立。サトウキビによる製糖を行っている製糖会社大手。フロリダクリスタルズは、米国とドミニカ共和国のコングロマリット企業であるファンジュール社(Fanjul Corp)の製糖グループ会社。かつて存在したアメリカン・シュガー・リファイニング・カンパニー(American Sugar Refining Company)とは別の会社。
 2001年にはTate & Lyle社(イギリス)からブランドでもあるドミノシュガー(DominoSugar)を買収し、2010年にはTate & Lyle社からRedpath Sugar(カナダ)を含めた砂糖部門(イギリス・ポルトガル)を買収した。その他2005年にC&H社(California and Hawaiian Sugar Company)、2007年にJack Frost(National Sugar Company)を買収。2013年にASRグループとして社名変更している。
 グループ全体で年間650万トン程度の生産能力を持ち、売上高は約5億ドル。

Imperial Sugar(インペリアルシュガー)

1843年に設立されたサトウキビ製糖会社で、2001年に破産申請した後、2012年にオランダの穀物メジャーであるルイ・ドレフュス(Louis Dreyfus Group)に買収された。売上高は約8億ドル。

USシュガー(US Sugar Corporation)

 1931年に設立されたフロリダ州を拠点とするサトウキビ生産・精糖を行う製糖会社。サトウキビの生産量は年間70万トン以上で、アメリカ国内トップの生産量を誇る。

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