タイの製糖会社

 世界第4位の砂糖生産国であるとともに世界第2位の砂糖(粗糖)輸出国であり、日本への主な輸入先国でもある。サトウキビによる製糖のため、各製糖会社では砂糖事業の他にバイオエネルギー事業も行っているところが多い。
 主なタイ国内の製糖会社は下記の通りだが、他にもWang Kanai Sugar Group、Tamaka Sugar Industry、Ban Pong Sugarなどがある。
 ちなみにカセット(kaset)はタイ語で「農耕地、農業、土地」、ポン(phon)は「果実、収穫、結果」の意味。ミト(mitr)はおそらく「友情、友人、親しい」の意味。

Mitr Phol(ミト・ポン)

 タイ国内で最大手の製糖会社であり、世界でも上位5位に入る製糖会社で1946年設立。売上高は約900億バーツ(2018年 約24億ドル)で、そのうち砂糖事業は約500億バーツ(約15億ドル)を占める。タイ国内に6つの製糖工場を持ち、国外では中国(1993年から進出し、中国国内に7つの製糖工場)、ラオス(2006年~)、オーストラリア(2011年からMSF Sugarに出資)、インドネシア(シンガポールの農産物商社大手のオラム社の子会社を買収)などの砂糖事業に進出している。
 2022年には丸紅と提携し、バイオプラスチック事業にも参入。同族経営企業で未上場。

Thai Roong Ruang Sugar Group(TRR、タイ・ルーン・ルアン)

 タイ国内でミトポンに次ぐ第2位の製糖会社。1946年に設立。砂糖の他に糖蜜(モラセス)・エタノール・バイオ発電・倉庫事業などを手掛けるグループ会社。国内に9つの製糖工場(会社)を持ち、「Lin」というブランド名で知られている。グループ全体で年間約100万トンの砂糖を生産している。未上場。

Kaset Thai International Sugar(KTIS、カセット・タイ・インターナショナル・シュガー)

 Thai Identity Sugar Factory(タイ・アイデンティティ・シュガーファクトリー)、Kaset Thai Sugar(カセット・タイ・シュガー)、Ruamphol Sugar Factory(ランポン・シュガーファクトリー)の3つの製糖会社を中心に構成されたグループ会社。バンコク証券に上場(KTIS)。2021年の売上高は約102億バーツ(約3億ドル)。

Khonkaen Sugar Industry(KSL、コン・ケン・シュガー・インダストリー)

 KSLグループ。バンコク証券に上場(KSL)。2021年の売上高は約106億バーツ(約3億ドル)。

Khonburi Sugar(KBS、コンブリ・シュガー)

 バンコク証券に上場(KBS)。2021の売上高は約63億バーツ(約2億ドル)。2012年から三井物産(11.1%:約20億円)と三井製糖(5.6%:約10億円)が出資し、株式を保有している。

Kaset Phol Sugar(KPS、カセット・ポン・シュガー)

 元々は1946年に設立された会社のようだが、1974年にBang Pong Sugar Groupがカセットポンシュガー社を設立したとある。1994年に三井物産と三井製糖が出資・経営に参画している。タイ東北部のウドンタニに製造拠点を置き、三井製糖ブランドのスプーン印の砂糖をクムパワピーシュガー社と共に生産している。2019年に生産能力強化として新工場を稼働させている。三井物産が株式の68.6%、DM三井製糖が28.4%を保有している。

The Kumphawapi Sugar(KMP、クムパワピーシュガー)

 1963年にタイ東北部のウドンタニの製糖工場を芝浦精糖(後の三井製糖)が買収し、前身となる芝糖タイ株式会社を設立。その後、現在のクムパワピーシュガー社となり、同グループの経営するカセットポンシュガー社と共に三井製糖ブランドであるスプーン印の砂糖などを生産していたが、2021年にクムパワピーシュガー社としての工場は操業を終了し、カセットポンシュガー社の工場での生産に集中している。三井物産(50.9%)とDM三井製糖(43.9%)が出資し、株式を保有している。

Buriram Sugar(BRR、ブリラム・シュガー)

 元々はSahathairungruang Sugar Companyから事業を譲渡され、1963年に設立した製糖会社。バンコク証券に上場(BRR)している。2021年の売上高は約37億バーツ(1億ドル)。

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