2022年12月16日に国内シェアトップの製糖最大手DM三井製糖ホールディングス(HD)は、砂糖の出荷価格を2023年1月16日から1キログラムあたり約6円(2.7%程度)引き上げると特約店などに通知した。値上げ理由はこれまでと同じく輸入原料費やエネルギー費の高騰を主な理由としている。砂糖の値上げに関しては、2021年は1月(5円:2~3%)・6月(6円:3%)・12月(6円:3%)で計17円の値上げ、2022年には7月(12円:6%)・22年12月(6円:3%)の計18円の値上げと続き、今回で2023年も1月(6円:2.7%程度)の値上げで3年連続かつ通算6度目の値上げとなり、2021年初から1キログラムあたり41円(約21%)の値上げとなる。
今回の値上げにより、東京卸値で上白糖は1kgあたり約229円、グラニュー糖は約232円程度になる見通し。
もう砂糖の値上げに関しては青天井でどこまで上がるか分からない状態だと思う。2年前から20%も値上げしている訳で、円安傾向は前回の時よりかは緩和しているとは言え現在も130円台なので、2・3年前のドル円が110~120円レンジに対しては確かに約20%くらいは変動しているので、計算上はまあ整合性はあると言えるのかもしれない。累計6回と周期的に小刻みに上げているのも、元々最終的に2割値上げくらいは元々織り込んでいて、需要先との兼ね合いで少しずつ値上げという形にしているのかもしれないというのは楽観的な感想で、ここからさらに状況悪化はあり得るし、来年も7度目の値上げの可能性はあるだろう。あるとすれば2023年中間の6月頃かもしれないと雑予想。
消費者としては直接はあまり意識されないかもしれないが、砂糖を使用する食品全般に影響するので財布へのダメージはかなり大きい。山崎パンの薄皮ミニパンシリーズも5個入りから4個になってしまう時代で、これはかなり衝撃だった。しかし、これも砂糖を筆頭に原材料が2割程度値上げしている訳で5個入りのパンも20%(1個)減になってしまうということで嫌な計算が合致してしまう皮肉。
前回も書いたけど、一方で投資銘柄としてはすぐに価格転嫁できるのは製糖株の特徴と強みだと言える。他の製造業(特に機械系)とかは価格転嫁が難しくて利益減で苦しむ企業も多い中、とりあえず売上高と利益確保に向けて動きはフットワーク軽く、投資銘柄としては安定要素と言えるのではないだろうか。日新製糖と伊藤忠製糖の経営統合(ウェルネオシュガー)などの業界再編が進む中、設備投資などの基盤事業の強化やその他事業の拡大のために体力を温存しておいてもらいたい。
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